つくり かため なせ
2016年05月26日
ブログの記事“ぼく、トラのもん”で、
虎ノ門ヒルズの再開発のことを書きました。
そのことを書きながら、
なんとなく思ったことを綴ってみます。
(ご興味のない方は、読み飛ばして下さい。)
さて、
修理固成(つくりかためなせ)とは、古事記に出てくる言葉です。
「修理固成」は、国生み、天孫降臨などと並んで
古事記の初めの方に出てくる言葉。
画・小林永濯 引用:ウィキペディア
もろもろの天の神様たちが、
イザナキノミコト(伊耶那岐命)とイザナミノミコト(伊耶那美命)に、
『このただよっている国土をあるべき姿に整え(修理)し、
固め(固成)なさい』と命じ、
天の沼矛(アメノヌボコ)をお授けになり、
お二柱の神が天の浮き橋にお立ちになられて、
その沼矛で、下界をかき回し、沼矛を引き上げたときに、
沼矛の先から滴った潮が、島になり、その島がオノコロ島で、
お二柱の神様は、そこに降り立たれ、日本列島をはじめとした国を生む。
※上記、口語訳は『小名木善行 ねずさんの ひとりごと』より引用
このときに天の神様たちからの詔(みことのり)が
『修理固成:つくりかためなせ』でした。
これは、天の神様たちが、私達の祖神に示された最初の言葉でもあります。
元より私達が暮らしている国土は不安定で、
台風・暴風・豪雨・豪雪・洪水・渇水・地震・津波・噴火・火災…。
と、多くの災難に見舞われることが地理的にも必然です。
『修理固成:つくりかためなせ』とは、
そんな七難八苦の災難でも尚、前に進む為の指針であるかもしれません。
それは、小さなことでは人心の教育・開発であり、
大きなことでは、街・社会・国家・世界の立派な建設でもあります。
彼の国では、古い建物を残すことで文化を大切にしている国もあります。
古くから在るものを保存することも大切ではありますが、
古くから続く想いを引き継ぐことも大切です。
「修理り固め成す」事を引き継ぎ、
より良い国を造り続けてゆくのも文化の継承であると思います。
ちなみに多くの国では、古くから遺っている物はあれど、
それを再度作る技術・方法が失われてしまっている事例が多くあります。
そして伊勢の神宮では先年、式年遷宮にて新たに作り直されました。
これは、古式に則り造る技術の継承の為でもあります。
7世紀の天武天皇の頃より、継続して新たに造り続けることで、
当時と同様のものを現在でも造れる技術・工具・工法・人材が保たれ、
新たな他の神社仏閣の建築・修繕も続けられる体制が保たれています。
もの造りの日本は、すごいなぁ。と思います。
youtube:とてつもない日本
今日から伊勢志摩サミットが開催されますが、
昨今もてはやされている、グローバルスタンダードのように、
その分野の強者の論理を全ての国で適用させるよりも…。
各々の出来ること資質に合った事を突き詰めたものを造り上げ、
そして、その多種多様なものを持ち寄って、新たなものが出来る。
そんな世界が出来たら面白いだろうなぁと思いました。
現代に生きる私達も、此の漂へる国をより良い国にする為に、
私達なりに「修理り固め成す」ように励まなくてはなりませんね。
そんな訳で、私に出来ることをがんばるぞっ!! (# ̄□ ̄ )ノ
追記:
修理固成(つくりかためなせ)について、今回の記事に口語訳を引用した
とても面白いブログ記事をあげている小名木善行さんのブログがあります。
お時間がありましたら、是非こちらのブログもご覧ください。
【小名木善行 ねずさんの ひとりごと】 修理固成(つくりかためなせ)
http://nezu621.blog7.fc2.com/blog-entry-2029.html